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これを読めば大体分かる、国際古楽コンクール〈山梨〉(声楽部門)(2022年の様子)

更新日:3月20日

こんにちは、ソプラノの櫻井愛子です。


今回は国際古楽コンクール〈山梨〉について、実体験をご紹介しようと思います。

【どのようなコンクールか】

・日本で唯一と言って良い古楽コンクールで今年(2025年)で36回を迎えます。 資格/ 国籍、年齢、経験を問わず参加費も10,000円なのでプロアマ問わず挑戦できます。 ・毎年専門分野の違う5人の審査員の方々に評価をしていただきます(器楽部門と同じ審査員なので、声楽家は一人だけの場合があります)。 ・入賞すると次の年に何度か演奏会の機会が与えられ、また海外レーベルと提携しCDをリリースするチャンスもあります。私個人としては、入賞者コンサートを通して他の楽器の方と仲良くなれて、非常に貴重な機会をいただいたと思っております。 ・滞在するうちに山梨の魅力も味わえます。



【プログラムについて】

今年(2025年)の課題が2022年のものと大きく違いましたので参考になるか分かりませんが、2022年の課題は以下の内容でした。

①16世紀中頃から1640年代に作曲ないしは出版された作品(要は初期バロック)
②17世紀中頃から後半に作曲ないし出版された作品(要は後期バロック)
③A. Vivaldi,  J. A. Hasse, フランスの作品いずれかからレチタティーヴォとアリア
・任意の作品を合わせて、約30分のプログラムを組むこと。
・少なくとも2言語を使用のこと

自分のプログラムは以下のように組みました。 ①H. Schütz: Eile mich, Gott, zu erretten (from "Kleine Geistliche Konzerte SWV 282") 

​②C. Monteverdi: Exulta filia Sion, SV 303 ③A. Vivaldi: Infelice Daliso - Le fiorite e belle sponde (RV 652) (以下任意の作品) - G. F. Händel: Capricious man, in humour lost(HWV 53) - J. S. Bach: Wir beten zu dem Tempel an - Höchster, mache Deine Güte (BWV 51) Er hat uns allen wohlgetan - Aus Liebe will mein Heiland sterben (BWV 244)

(参考)2025年の課題
声楽部門課題 (少なくとも2言語を使用のこと)
1.有節歌曲(3節程度を選択)
2. Monteverdi, Claudio: 任意のオペラの一部を抜粋
3.  任意のレチタティーヴォとアリア
上記の課題を入れて、約30分のプログラムを組むこと

曲目については、とにかくYoutubeやNaxos music libraryで調べまくりました。 任意の作品で自信のあるレパートリーを突っ込み、あとは制限のある中で自分の良さが出そうな作品、あるいは楽しんで歌える作品を選びました。後述しますが、このプログラムはまとまって演奏されるものではないので、まとまりなどは考えなくて良いと思います。 今思えば、古楽に強い先生に質問したら良かったかなと思いますが、勉強のためにも自分で出来る限り調べてみることをお勧めします。


【コンクールの流れ (演奏順、曲目の指定、会場、合わせ、衣装について)(2022年の場合)】


当日まで

4月頭 出番の日程・時間帯のメールが届く(この時点では出演順は不明)

4月末(かなり直前)指定された予選の曲目(2曲。私の場合MonteverdiとVivaldiが選ばれた)がメールで届く

コンクール初日(予選1日目)

・午後に予選会場に集合。甲府商工会議所という天井が割と低い普通の会議室のような場所に、チェンバロが何台か置かれていて圧巻。伴奏者は午前中試奏できました。ちなみに会場に響きは期待しない方が良いです。 ・配布されるプログラムで出演順を知る(まさかのトップバッターだった) ・主催の荒川様から注意事項についてアナウンス 甲府商工会議所からほど近い桜座という場所で声出し可能。合わせの時間が参加者に振り分けられているわけではなく、1台のチェンバロを交代で譲り合って使用しました。桜座の音出し可能時間は十分に長く設けられていました。 ・予選、本選通して観覧自由 ・更衣室の有無について覚えていないのですが、基本すっきりした黒の上下で臨む人が多かったかと思います。私は花柄のストンとしたドレスを着たので本当に衣装は何でも良いと思うが着替えやすいものが良いと思われます。


予選会場の甲府商工会議所の外観
予選会場の甲府商工会議所の外観

音出し会場の桜座の外観
音出し会場の桜座の外観

コンクール2日目(予選2日目)

・予選終了後(2022の場合は22時ごろ)甲府の商店街にあるコットンクラブで予選通過者発表。声楽部門は4名選出されました。 ・本選の曲目は既に指定されていました(私の場合はSchütz、HändelそしてAus Liebe(アリアのみ)。つまり提出した全曲が当たるわけではありません ・本選の出演順はあみだくじで決定


予選通過者発表会場であるコットンクラブの外観
予選通過者発表会場であるコットンクラブの外観

コンクール3日目(本選)

・当日は本番会場内(山梨県立図書館)で本番前に合わせが15分ほど可能です。合わせの部屋と別に音出しの部屋があるがかなり狭く譲り合って使用。 山梨県立図書館多目的ホールはとても響きが良いので歌いやすかったです。 ・本選終了後(夕方)結果発表。審査員の方々から講評をいただく時間が設けられていました。違う専門の先生からアドヴァイスをいただくのは新鮮でした。記念撮影などして解散。


本選会場である山梨県立図書館
本選会場である山梨県立図書館

最後までお読みいただきありがとうございました。 受けられる方が自分のベストを尽くせることを祈っております。 またこの記事へのイイねやコメントでの応援お待ちしております✨

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©2022 AIKO SAKURAI

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